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内臓脂肪と皮下脂肪の違いは?落とすために見直すべきポイントはこれ

  • ケア
  • 脂肪
公開日2023.09.23
最終更新日2023.09.04
読み終わるまで8分

肥満には「内臓脂肪」が多いタイプと「皮下脂肪」が多いタイプがありますが、たとえば摂取カロリーオーバーや慢性的な運動不足、睡眠不足やストレスといった生活習慣の乱れなど、脂肪がつきやすくなる原因はさまざまです。まずは自分がどちらのタイプに該当するのか知り、今日から少しずつ対策をしていきましょう。本記事では、内臓脂肪と皮下脂肪それぞれの特徴と、効果的に落とすために意識したいポイントを解説します。

内臓脂肪の特徴

「内臓脂肪」とは、胃や腸を覆うようにつく脂肪です。これによってお腹まわりが大きくなるため、リンゴのような体型になるのが、内臓脂肪型肥満の特徴です[1]。通常の肥満は、体重と身長の比率から割り出す「BMI」が25以上とされますが、25未満でも内臓脂肪が多くなっていることもあります[1]。また、内臓脂肪型肥満は男性に多いと思われがちですが、女性も閉経により50歳頃から増え始めることがわかっています[2]。年齢が該当する方は注意が必要です。
 
この内臓脂肪の蓄積が原因となり、生活習慣病を複数引き起こしている状態が、いわゆる「メタボ(メタボリックシンドローム)」。メタボが危険だとされているのは、ただの肥満ではなく高血糖・脂質異常・高血圧などの引き金となり、心臓病や脳卒中などさまざまな疾患の発生率を高めるためです[3]。メタボの判断基準のひとつはお腹周りのサイズで、おへその高さの腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上であることとされ、これは内臓脂肪の面積が100㎠以上あるかどうかの目安にもなります。さらに、高脂血症・高血圧・糖尿病のいずれか2つに該当すればメタボと診断されるのです[4]。

皮下脂肪の特徴

「皮下脂肪」とは、文字通り皮膚の下につく脂肪のことです。一般的に女性は男性よりも皮下脂肪がつきやすく、特におしりや太ももにつきやすい傾向があります[1]。
 
体温を保温したり、母乳のエネルギー源にもなる皮下脂肪ですが、ほかにも、脂肪の重みで骨に負荷を与えることで骨を丈夫に保ったり、閉経後のホルモン不足を補うといった役割も担っています。こういった側面から、閉経後の骨粗鬆症を予防するため、女性の体にはある程度必要なものだとも考えられています[2]。
 
しかし、時間をかけて蓄積された皮下脂肪は、比較的すぐに分解される内臓脂肪に比べて、一度つくと落ちにくいことも特徴のひとつです。この特徴の差の背景に性ホルモンによる影響が考えられていますが、まだ正確には解明されていません[3]。生活習慣病のリスクを高める内臓脂肪よりも体への悪影響は少ないものの、月経異常や関節痛の原因になり[1]、何よりも外見的な面で早めに改善したいところですよね。

まずは内臓脂肪からアプローチ

皮下脂肪が、出し入れの難しい定期預金だとすると、内臓脂肪はためるも引き出すも簡単な普通預金のようなものに例えることができます。命に関わる疾患を引き起こす可能性を持つ内臓脂肪ですが、ゆっくりと燃焼される皮下脂肪に対して、内臓脂肪はすぐに燃焼され、落としやすいのが特徴です[5]。

見直すべきポイントは「食事」と「運動」

内臓脂肪は、生活習慣を変えることで比較的簡単に落とすことが可能です。効果的に落とすためには「食事」と「運動」の両方から見直すことが重要で、改善するべきポイントを見つけたら、目標を設定して毎日記録してみるのも良いでしょう。体重やお腹周りのサイズがわかりやすいですね。
 
食事は、不規則な食生活や早食い・食べすぎの傾向がある場合は改め、ゆっくりとよく噛んで腹7分目の食事を1日3食摂るようにしてください。寝る前の食事や間食も良くないので、就寝前3時間は避けるようにしましょう。
 
運動で内臓脂肪を減らす場合には、少なくとも「週に10メッツ・時」の運動量が必要と考えられています[6]。(メッツとは、身体活動の強さが安静時の何倍に相当するかで表す単位です。座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当します。)
 
たとえば、

















早めのウォーキング約2間30分
早めのスピードでサイクリング(20km/hほど)約1時間15分
早めに走る(16km/hほど)約2時間30分


これらが「週に10メッツ・時」の運動量の目安です[7]。1週間の中で確保する運動時間の目安にしましょう。もちろん、内臓脂肪を落とす効果と運動量は比例しているため、運動量が多ければその分燃焼効果は高まりますが、たとえ週に10メッツ・時以下でも内臓脂肪が全く減らないわけではありません[6]。「少しでは効果がないかも…」とは思わずに、できる範囲でチャレンジしてみましょう。
 
内臓脂肪を落とす目安として、最初の目標は「3~6ヶ月で体重の5%減」としましょう。それだけでも、生活習慣病のリスク改善が期待できます[8]。たとえば、現在の体重が80kgであれば、6ヶ月間で4kgの減量です。1ヶ月約700g程度であれば負担なく減らせますよね。

落ちにくい皮下脂肪へアプローチ

脂肪が気になる部分だけ効率よくシェイプアップしたいところですが、実は皮下脂肪を部分的に落とすことは難しいと考えられています[4]。また、運動の刺激に対して反応しやすく、先に燃焼されるのは内臓脂肪。つまり皮下脂肪は燃焼されにくく、部分的ではなく全体的に落ちていくということです。皮下脂肪に立ち向かうためは、長期的な取り組みが大切。焦らず、日頃のこまめな運動を心がけるようにしましょう。

見直すべきはポイントは「食事」と「筋肉量」

落とすのが難しい皮下脂肪ですが、実は内臓脂肪と同様、生活習慣に気をつければ基本的には少しずつ落とすことが可能とされています。「運動が苦手」という人は、週に一度の本格的な運動よりも、毎日できる軽い運動がおすすめです。長期戦なので、皮下脂肪を落とすには習慣化させて継続することが大切。意識的に体を動かし、消費エネルギーを増やしていきましょう。運動に慣れていない人でも簡単に始められる、生活のなかで無理なく体を動かせる方法を紹介します。



  • 一駅手前で降りて歩く

  • 駅ではエスカレーターではなく階段を使う

  • 移動は車よりも自転車

  • 洗濯物を干すときや掃除機をかけるとき、いつもよりも体を大きく動かす

  • テレビを見ながらストレッチをする



また、皮下脂肪は筋肉量の減少も関係しているため、食生活の見直しに加え、適度な筋トレを取り入れることをおすすめします。

はじめは「ながら運動」でもOK!

「運動を始めて20分後から脂肪が燃え始める」と聞いたことはありませんか?しかし最近の研究では、短時間の運動を数回に分けても効果は変わらないことがわかっています[5]。30分間運動しても、15分間の運動を2回しても、10分間の運動を3回しても効果は同じ。高いお金を払ってジムに通わなくても、意識的に体を動かすようにすれば今日から運動は始められます。仕事や家事・育児をしているとまとまった運動の時間をつくるのは大変ですが、ちょっとした運動の積み重ねでもエネルギーは消費できます。生活の中で体を動かせるタイミングを見つけ、ライフスタイルにあわせてぜひチャレンジしてみましょう!

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