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意外と知らない肩こりと目の疲れの関係|不調を感じる人の3つの特徴

  • マッサージ
公開日2023.04.10
最終更新日2023.04.10
読み終わるまで8分

「目が疲れるたびに肩もこって辛い……。目の疲れと肩こりって何かつながりがあるの?」

「目も肩も調子が悪くてやる気が出ない。両方をいっぺんに解決する方法ってないのかな?」
あなたは今、このように悩んでいませんか?
調子の悪い箇所が一か所だけならまだしも、目にも肩にもトラブルを抱えてしまうと、心身共に疲弊して、毎日の生活や仕事にも支障をきたしてしまいますよね。
結論から申し上げると、肩こりと目の疲れは大きく関係しています。

目の疲れが原因となって、肩こりを引き起こしてしまうのです。

なぜなら目の疲れは、目のピントを合わせる調節筋肉「毛様体筋〈もうようたいきん〉)」がうまく作用しないことで生じるのですが、過労やストレスが原因で自律神経が乱れてしまうと、この筋肉に影響が及んで目のピントが合わせにくくなり、結果的に、その不快感が肩や首、背中を強張らせていくからです。

これが「肩こり」へとつながっていきます。

特に、スマホやパソコンを長時間使用することが多い方は、知らず知らずのうちに目をとても疲れやすくしているので、注意が必要です。

こうした肩こりや目の疲れを放置しておくと、頭痛を引き起こしたり、肩だけでなく首や背中など他の部分にも不快感が広がり始め、どんどん重症化してしまいます。

特に目の疲れについては、症状を放置して悪化すればするほど、その回復スピードも落ちてしまうと天神疋田眼科でも指摘しています。

そうならないためにも、目や肩のどちらかに、もしくは両方に異変を感じたら、すぐにでも対処する必要があります。

そこで今回この記事では、肩こりと目の疲れについての関係を詳しく解説し、その解決法をご紹介していきます。

【この記事でわかること】

・肩のこりと目の疲れの関係

・肩のこりと目の疲れを引き起こす原因と対処法

・目の疲れの回復を手伝ってくれるマッサージアイテムのお勧め
この記事をお読みいただければ、肩のこりと目の疲れの関係を理解した上で、痛みや疲れを解決できる方法を試すことができますよ。
ぜひ一緒に痛みを克服して、すっきりした毎日を過ごしましょう!

その肩こりは目の疲れによるものかもしれない

肩こりと言ってもその原因は様々ですが、目の疲れが元凶になっていることがあります。
「目と肩なんて関係があるの?」とつい見落としてしまいがちですが、これからご紹介するいくつかの調査によると、両者には深い関係があることが判明しています。
そこでこの章では、まずは肩こりと目の疲れの関係をデータでご紹介した後、どうして肩こりと目の疲れが連動するのか、その仕組みについて詳しく解説していきます。
原因を知ることで、目や肩の辛さから解放されるヒントが見つかるかもしれません!

早速一緒に見ていきましょう。

肩こりと目の疲れを同時に感じる人は多い

肩こりと目の疲れは、実は多くの人が同時に発症した経験を持っています。
下記のグラフをご覧ください。
株式会社アップビートによると、目の疲れを実感している人の約4割が、同時に肩こりに悩まされているという結果が出ています。

A

B
※2020年3月6日〜2020年3月7日にかけてインターネット調査を実施。

全国30歳以上の男女1,117人より回答あり。
引用:「目の美容院」の調査よりグラフを作成

また、ライオン株式会社が実施した「外出自粛により最も疲れや不調が増えた身体部位」というアンケートでも、似たような結果が出ています。

C
※2020年3月6日〜2020年3月7日にかけてインターネット調査を実施。

全国30歳以上の男女1,117人より回答あり。
引用:ライオン株式会社が実施したアンケートよりグラフを作成

上のグラフを見ると、外出自粛により疲れを感じることが増えた部位として、「1位 目 43.0%」に次ぎ、「2位 肩 31.3%」という結果が出ています。
「目に異変を感じる人」の次に多いのが、「肩こりに悩まされている人」となっている点を見る限り、やはり「目と肩」は疲れの影響を大きく受けやすいことがわかりますね。
そんな「目と肩」はまったく異なる場所にあるにもかかわらず、互いに悪影響を及ぼし合います。

一体どのような仕組みで、痛みや疲れを広げてしまうのでしょうか?
次項で詳しくご紹介しましょう。

目の疲れによって肩こりが引き起こされるのは自律神経が関係している

肩こりと目の疲れを引き起こす原因は、自律神経にあります。
自律神経とは、人間の体を維持するための内臓や体温、代謝、呼吸、分泌液(唾液や汗、涙など)、排泄などの働きを24時間管理してくれる神経のことを指します。
自律神経は、以下2種類に分かれます。

【自律神経は2種類ある!】
●交感神経

⇒心と体が活発な時に働く神経。

運動している時や緊張している時などに働く。
●副交感神経

⇒心と体がリラックスしている時に働く神経。

眠っている時やリラックスしている時などに働く。
この「自律神経」は、正常に作動しているうちはいいのですが、西春内科・在宅クリニックによると、以下のような理由で自律神経が乱れてしまうことがあります。

●過労やストレスを強く感じた時

●不規則な生活を送っている時(偏食、睡眠不足、その他生活リズムを崩すもの)

●ホルモンのバランスが崩れた時

例えば、仕事で多忙な時間を過ごしていたり、スマホやパソコン画面の見過ぎで慢性的な睡眠不足に陥っているなど、多くの方が不規則な生活習慣を経験したことがあるのではないでしょうか?
このような場合、私たちの自立神経は乱れがちになりますが、その結果、視力にもトラブルが生じます。
なぜなら、自律神経は目のピントを合わせる「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉を調節する役割も果たしているのですが、自律神経の乱れでこの「毛様体筋(もうようたいきん)」を調節する力が低下してしまうからです。
もう少し詳しく説明しましょう。

下図をご覧ください。

D

「毛様体筋」とは、目のレンズの役割を持つ「水晶体」のすぐそばにつながっています。

その筋肉を緩めたり引っ張ったりすることで、「水晶体」を伸び縮みさせながら、目のピントを合わせてくれます。
ところが、不規則な生活やホルモンバランスの崩れ、強いストレスなどの外的要因により自律神経が乱れてしまうと、この「毛様体筋」に緊張が伝わり、目の焦点を合わせる機能が低下してしまうのです。
目の焦点が合わなくなると、物が見えづらくなり、目にどんどん疲れが溜まっていきます。

その結果、脳で感じた不快感が肩や首、背中の筋肉を固く強張らせてしまい、最終的に肩こりが起こります。
さらに、焦点の合わない目で一生懸命物を見ようと前かがみになったり、頭をのけぞらせたり無理な姿勢を取ることも、肩こりを深刻化させてしまう原因になります。
このような理由から、肩こりと目の疲れには密接な関係があると言えるでしょう。
これまで肩こりの原因がいくら考えてもわからないという方は、もしかすると目の疲れから肩にトラブルを起こしているのでは?と、視点を変えて対処していくことが重要になります。

目の疲れから来る肩こりかどうかを判断する10個のチェックリスト

自分の肩こりの原因が、目の疲れから来るものかどうか、判断するのが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、「肩こりの原因が目から来ているかどうかを判断するチェックリスト」をご用意しましたので、ぜひ一度確認してみましょう!

E
出典:「眼精疲労はまかせなさい! ―専門医Dr.きよくんが教える最先端の診断法・治療法・予防法」(森岡清史著/現代書林)23~24ページより抜粋

こちらの書籍によると、上記のチェックリストのうち、チェックの付いた数で「目の疲れ度」が判断できるとしています。

F
出典:「眼精疲労はまかせなさい! ―専門医Dr.きよくんが教える最先端の診断法・治療法・予防法」(森岡清史著/現代書林)23~24ページより表を作成

あなたはいくつあてはまったでしょうか?

2個以上あてはまるものがあった場合は、あなたの肩こりは目の疲れから来ている可能性があります。
そんなときは、後述する「目の疲れを悪化させないための5つの対策」を参考にし早めのケアをすることで、肩こり&目の疲れが重症化しないようにしましょう。


肩こりの原因となる目の疲れが起きやすい人の特徴3つ

目の疲れから肩こりしやすい人は、生活パターンの特徴として、次の3つが考えられます。あなたの日常生活で思い当たることはありませんか?
【原因1】スマホやパソコンを長時間見る

【原因2】眼鏡やコンタクトの度が合わないまま使用している

【原因3】ストレスを溜めている
さっそく1つずつ見ていきましょう。

スマホやパソコンを長時間見る

スマホやパソコンの画面を長時間見ることで、目を疲弊させる原因となります。
やまもと眼科によると、スマホやパソコン画面など1つの画面を集中的に、長時間見続けると、目の痛みや目の疲れ、頭痛などを感じるようになります。
理由は、1つの画面に集中すると、目の瞬きの回数が減ってしまうからです。

そのため、目が乾いたような状態になり、やがて痛みや疲れを感じてしまうのです。
これを「VDT症候群(ビジュアルディスプレイターミナル」)といい、近年、テレワークやオンライン授業の増加により、このような症状を訴える人が増えています。
仕事や授業でどうしても画面を見なければならない場合は仕方ないとして、それ以外の時間帯は、 なるべくスマホやパソコン画面から目を離したり、適宜休憩を入れたりしながら、目の疲れを取り除くような努力が必要でしょう。

眼鏡やコンタクトの度が合わないまま使用している

度が合わない眼鏡やコンタクトを使用し続けているのも、目を疲れさせる原因です。
現在の視力にふさわしい眼鏡やコンタクトを着用しないと、よく見えない状態が続くため、前述した「毛様体筋」が少しでも目のピントを合わせて見えやすくしようと頑張ってしまうのです。
また、ここ最近急増している在宅ワークでは、会社と違い、自宅デスクとパソコンの距離が近すぎるにもかかわらず、適切な度を入れた眼鏡やコンタクトを使わないまま作業をしている方も多くなっています。
すると、近い距離で1つの画面をじっと見ることにより、やはり「毛様体筋」に大きな負担がかかってしまい、結果的に目を疲れさせる原因となるのです。

ストレスを溜めている

度重なるストレスが、目の疲れを引き起こすこともあります。
強いストレスを感じると自律神経が乱れてしまい、自律神経によって支えられている「毛様体筋」にも影響を与えてしまいます。
せたがや内科・神経内科クリニックによれば、自律神経のうち、起床時に活発に働き続けている「交感神経」は、強いストレスにさらされることでダメージを受けやすいと説明しています。
このダメージが目の 「毛様体筋」にも伝わり、ピントの調節機能を落としてしまうため、目の疲れを大きく感じることになります。

目の疲れを悪化させないための5つの対策

一度目の疲れを発症してしまったら、重症化する前に対処することが重要です。

なぜなら早急にケアすることで、疲れからの回復もスムーズに行えるからです。そこで今回は、以下5つの対策をご紹介していきましょう。
●スマホやパソコンの視聴時間を減らす

●作業環境を改善する

●眼鏡やコンタクトが合っているか眼科で確認する

●ストレスを溜めない

●ストレッチやマッサージを行う
さっそく1つずつ見ていきましょう。

スマホやパソコンの視聴時間を減らす

最もてっとり早い対策は、スマホやパソコンの視聴時間を減らすことです。
1つの画面を集中的に見るような事態は極力避けて、適宜休憩を挟みつつ、パソコンやスマホの操作をするようにしましょう。

【パソコンやスマホ操作の合間にどうやって休憩すればいい?】
アイリスター麻布クリニック院長の西之原美樹先生は、以下のような休憩方法を推奨しています。
①1時間に1回はパソコンなどの画面から目を離して、5〜10分休む

②目の周りを軽くマッサージしたり、ホットタオルやホットマスクで温めたりして血流を促す

③森や星など遠くのものを見つめて、目をリラックスさせる
引用:眼鏡市場

上記でご紹介した休憩方法は、どなたでもすぐに実践していただける簡単なものです。

目の疲れを引きずらないためにも、ぜひ今日から1つずつ実践してみてくださいね。

作業環境を改善する

作業環境を改善するのも、目の疲れを和らげる対策になります。
具体的な改善方法として、公益財団法人 日本眼科医会では以下のような作業環境を推奨しています。

G
引用:公益財団法人 日本眼科医会の公式サイトより画像を作成

【パソコンと目の向き合い方】

(1)ディスプレイと目の距離は、40㎝~50cm空ける

(2)モニターの上辺が目より数センチ高い位置にくるように設置する

(3)椅子に深く座り、ひざの角度は90度以上になるようにする
上記のように座る姿勢に気を付けると同時に、さらに以下の点についても確認しておきましょう。

・パソコンでの連続作業は1時間以内を心がける

・画面の明るさと部屋の明るさを合わせる

・画面に映る文字の大きさを見やすいサイズにする

・意識的に瞬きを心がける

・作業用の眼鏡を使用する
出典:総合南東北病院

このように見ると、改善すべき点があまりにも多くあり、焦ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。まずはご自分が無理なく取り入れられるところから始めてみて、徐々に改善ポイントを増やしていくのもお勧めです。
目の疲れを少しでも軽減するためにも、頑張って対策していきましょう!

眼鏡やコンタクトが合っているか眼科で確認する

眼鏡やコンタクトレンズが今の自分の視力に合っているか、まずは眼科で診察してもらいましょう。
在宅ワークが増え始めてから、慣れない環境のせいで視力が思ったより低下しているかもしれません。

その点を気づかないまま、現在の視力に合わない眼鏡やコンタクトを使い続けていると、目の疲れがどんどん増してしまう原因になります。

ストレスを溜めない

目の疲れを軽減するためには、ストレスを溜めないことも重要です。
「ストレスを溜めている」でもご紹介したように、職場や人間関係などで強いストレスを受けると、私たちの自律神経が乱れてしまい、目の焦点を合わせる役割を果たす「毛様体筋」にも悪い影響が出てしまいます。
このように、目に悪影響を与えないためにも、ストレスを解消することはとても重要です。
具体的な解消方法としては、人それぞれですが、江坂まつおか眼科では以下のものを紹介しています。

・趣味を見つけて取り組む(運動でも室内で行うものでもOK)

・音楽を聴く

・半身浴を楽しむ など
出典:江坂まつおか眼科

上記以外にも、散策や読書、ショッピング、楽器演奏、観葉植物を育てるなど、様々な方法でストレスを解消することができます。
ご自分が何をしている時に一番リラックスしているのかを考えながら、ぜひストレスを発散できる方法を見つけておきましょう。

ストレッチやマッサージを行う

目の疲れを癒す直接的な方法として、ストレッチやマッサージを施すのも有効です。

ここでは、目の疲れにぜひ試してみたい、お勧めのストレッチ&マッサージをご紹介しましょう。

【ストレッチやマッサージ以外にもできることとは?】
目の疲れを癒すには、「蒸しタオル」がお勧めです。

とはいえ、勤務中などすぐに「蒸しタオル」を用意できない場合もあるでしょう。

そんな時は、市販の「目のホットパック」のような商品を使っても気持ちよく目の強張りをほぐすことができるでしょう。

目の疲れをほぐすには、意外にも後頭部をマッサージすることが効果的だと、鍼灸マッサージ師・カイロプラクティック理学士石垣英俊さんが述べています。
なぜなら、後頭部(頭と首の境目部分)には、奥深い所に「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」が集まっているからです。
この「後頭下筋群」は、目の動きに合わせて頭や首や動くのを抑える働きがあり、目の疲れが進んでしまうと、この筋肉も固まってしまいます。
そこで、この「後頭下筋群」をもみほぐしてやわらかくすることで、目の疲れの改善につなげようというのが、これからご紹介するマッサージです。

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【STEP1】手のひらで首の後ろを包み込む
→ 手のひらで首の後ろ全体を包み込むようにします。
【STEP2】手のひらで首をつまみ、上に持ち上げます
→ 手のひらで首をつかみ、上に持ち上げるように動かします。
【STEP3】下から上へ、3往復程度つまみ上げる
→ 力強く首をつまむのではなく、リズミカルに3往復程度「下から上へ」首の肉を持ち上げます。終わったら一旦手を下します。
【STEP4】次に「風池(ふうち)のツボ」を刺激する
→ 首のつまみ上げ運動が終わったら、次は目の疲れを減少してくれるツボを刺激していきましょう。場所は後頭部下のややくぼんだところにある「風池(ふうち)のツボ」です。

I

このツボを両手の親指を使って、気持ちいいと感じられるぐらいにゆっくり押していきます。

回数は、1回につき10秒程度かけて押していき、2〜3回繰り返します。

J

ツボの刺激が終わったら、手をゆっくり下げます。

これで後頭部へのマッサージは終了です。
この程度のマッサージであれば、在宅ワークはもちろん、社内ででも充分行うことができます。

しかも、座ったままでもできるので大変便利です。
ぜひ積極的に取り入れてみましょう。

まとめ

今回は、肩こりと目の疲れの密接な関係性についてご紹介しました。
肩こりが起こる原因として、目の疲れが発端となっているとご紹介しましたが、その目の疲れは、自律神経の乱れによって引き起こされていることがおわかりいただけたのではないでしょうか?
目の疲れに関しては、以下のような原因と対策がありました。

K

さらに、目の疲れを解消するための「後頭部マッサージ」についてもご紹介しましたので、ぜひ今日から始めて、目の疲れと肩こりの軽減につなげてくださいね。
本記事があなたの不調を改善するお手伝いが出来たなら幸いです。


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