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ゴルフの基本は身体作り。ゴルフインストラクターが推奨する日常ケア|大谷 樹理

  • ケガ予防
  • ストレッチ
  • マッサージ
公開日2023.07.31
最終更新日2023.08.10
読み終わるまで14分

今日本で起こるゴルフブーム。ここ数年でゴルフ人口は急増(※)しており、コロナ禍が落ち着いてきてからは、ゴルフに興じる方々の姿がSNSなどで多く見られるように。「もっとうまくなりたい!」「疲労を溜めずに楽しみたい!」などの声も聞かれるようになりました。今回は、“ゴルフ+コンディショニング”をコンセプトに掲げるレッスンスタジオ『CRYSTAL GOLF』のゴルフインストラクターの大谷 樹理さんに「ゴルファーにおすすめのケア」についてお伺いしました。

Profile
プロフィール
大谷 樹理
ゴルフインストラクター

北九州市生まれ、神戸育ち。23歳でアメリカへ語学留学した際にゴルフに出会い、ツアープロを志す。2010年にインストラクターの道へ。全米女子プロゴルフ協会会員、USLPGA  teaching and club professional classB、FAST FIRST GOLF認定インストラクター、USGTF level Ⅲ、日本Gボール協会JSA認定インストラクター、Power Plate認定インストラクターなど多数の資格を保有。

Instagram:https://www.instagram.com/juri_crystalgolf/

HP:https://crystal-golf.net/

2022年に公益社団法人 日本生産性本部によって行われた調査(※)によると、2021年の日本のゴルフ人口は560万人。2020年からの1年で40万人増加しており、ゴルフブームが起きつつあることが分かります。
 
※出典:「信頼と活力のある社会」の実現|公益財団法人日本生産性本部_~2021年の余暇関連市場規模は55兆7,600億円、前年比1.0%増 前年に引き続き、在宅レジャーの参加人口が上位に、旅行は復調見られず~ https://www.jpc-net.jp/research/detail/006103.html
 
ボールを飛ばす快感や大自然のなかで過ごす非日常感などの魅力があるゴルフ。しかし、長時間におよぶラウンドや全身を使ったスイング動作によって、ラウンド翌日まで疲れを引きずったり、怪我をしたりする方も少なくありません。

怪我や疲労は、日常的な不調の積み重ねが原因

10年以上指導を続けるゴルフインストラクターであり、ゴルフ歴20年以上のプロゴルファーでもある大谷さん。大谷さんが“ゴルフ+コンディショニング”をコンセプトに掲げたレッスンスタジオ『CRYSTAL GOLF』を立ち上げた背景には、プロとして活動するうえでの苦悩があったといいます。

「私は昔、とにかく怪我が多かったんです。また、出産を経て復帰してからはプレーも全然うまくいかなくて。ゴルフを楽しく長く続けていく、そして上手くなるには、コンディショニング=“身体作り”や“ケア”が大事なんだと気づきました」
 
ゴルフの疲労が抜けない、ゴルフで怪我をする大きな要因として「日常的な身体作り・ケアができていない」ことがあると大谷さん。全身を使ってプレーするゴルフでは、潜在的に抱えている身体の不調が現れやすくなるそうです。ゴルフによって生じたように感じる疲労や怪我も、日常的な不調の積み重ねであることがほとんどだと言います。
 
「そもそもちゃんと自分の身体を扱えている方、健康な状態を保っている方って少ないんです。みなさん姿勢が悪かったり、肩こりや腰痛を抱えていたり。その状態でゴルフをプレーすることで、疲労や怪我につながってしまう。ゴルフは身体が抱えている不調を知るためのバロメーターのようなもの。ゴルフを通して不調を感じたなら、それは日常的な身体作り・ケアが必要なサインです」

疲労回復・スコアアップにつながる日常ケア

また、大谷さんは「飛距離がでない」「スイングが不安定になってしまう」といった初心者ゴルファーあるあるのお悩みも、日常的な身体作りによって解消に近づけられると言います。

「プレーが上手くいかない要因は、基本的には身体にあります。たとえば、飛距離が出ないという方は、肩や肩甲骨周りの筋肉が固まってしまっていて、スイング時の回旋運動が十分でないのかも。スイングが安定しない方は、身体のバランスを取るのが苦手で、直立姿勢を保てていない場合が多いです」
 
今回は、大谷さんに疲労や怪我の予防とプレーの上達につながる「ゴルファーにおすすめのケア」をご紹介いただきました。

疲労回復・怪我防止につながるおすすめケア

ゴルフでとくに疲労が溜まりやすいのは、下半身です。広いゴルフ場を長時間歩くことに加え、アドレスやスイング時には下半身の筋肉を酷使します。そのため、ゴルファーの方は、日常的に下半身の筋肉や足首をほぐすようにしましょう。

 【足首のケア】 

POINT

足首をまわして怪我予防と疲労回復を。
下半身はゴルフ時だけでなく、日常的にも疲労が溜まりやすいので、毎日30秒でも意識してケアするようにしましょう。

 【大腿筋膜張筋ケア】 

POINT

太ももの付け根のやや外側にある「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」は、股関節を動かす際に使われている筋肉。
この筋肉が固まっていると、下半身全体に負荷がかかりやすくなります。手やハンディガンを使用しほぐしましょう。

飛距離アップにつながるおすすめケア

飛距離を出そうとするとき、重要になるのが「アドレス時の姿勢」と「スイング時の回旋運動」。その2つに効くケアを大谷さんに教えてもらいました。

 【前鋸筋ケア】 

POINT

アドレス時とスイング時、上半身の動きを支えるのが胸部の外側にある「前鋸筋」。前鋸筋は、アドレス時の外転及び上方回旋する肩甲骨の動きを支える筋肉です。この前鋸筋が使えていないと、腕と身体の動きがバラバラになり、飛距離がでません。ラウンド前に、ハンディガンで前鋸筋をケアし、動かしやすい状態にしておきましょう。

 【上半身柔軟性UPケア】 

肩と腰周りの柔軟性を高めるのも、飛距離アップに効果的。スイング時の回旋運動に大きく関わります。一朝一夕で柔軟性を得るのは難しいため、日常的に上半身を左右に傾ける側屈ストレッチなどを行うのがおすすめです。

安定したスイングにつながるおすすめケア

安定したスイングを手に入れるには、どんな場所であっても直立姿勢を保てるようにする必要があります。斜面でも身体のバランスがとれるように体幹に関わる筋肉をほぐすようにしましょう。

 【下腿三頭筋ケア】 

直立姿勢を保つために意識すべきなのが、スーパーフィシャルバックライン(SBL)と呼ばれる、頭、首の後ろ、背中、下半身の後ろ、足の裏までつづく大きな筋膜の連結。ひざから足首までの後面にある「下腿三頭筋」をハンディガンでなぞるようにほぐしていくことでSBLの柔軟性が高まり、どんな場所でも姿勢が安定しやすくなります。

ゴルフ上達の鍵は“生活”にある

「ゴルフが上手くなりたい方は、打つ時間以外の“生活”も大切にしてください。普段から自分の身体の状態を意識することが、ゴルフの上達につながります」と大谷さんは話します。
 
「ゴルフをしない日も、一日の終わりには身体はガタガタになっています。筋肉や関節は固くなり、疲労も溜まっている。その状態が続くと、腰痛や肩こりなどの不調につながり、ゴルフを上手くプレーできなかったり、怪我をしたりする原因にもなるんです。そのため、できるだけ毎日、身体の状態をニュートラルに戻すケアを行うようにしてください。ケアを続けることでゴルフも上達しますし、何よりずっと元気で健康でいたいじゃないですか」

インタビュー中、終始笑顔でゴルフを好きな気持ちが全身から溢れていた大谷さん。最後に、大谷さんが思うゴルフの魅力って何ですか?と聞いてみると、少し考えたあと、こう答えてくれました。
 
「ゴルフって、スポーツ経験豊富な人も未経験の人も、1人が好きな人も、みんなでワイワイするのが好きな人も、老若男女誰でも楽しめるスポーツだと思うんです。人それぞれの楽しみ方がありますが、自分の心身と向き合うスポーツだから、人としても成長できて自信につながる。おまけに大自然を感じられて、身体の健康につながるんですよ。そんな素敵な魅力あるスポーツだから、私は学生時代に出会ってから20年以上好きでい続けられているのだと思います」

インタビューを終えて

いま多くの人を魅了するゴルフ。楽しく長く健康で続ける(+上達する)ためには、日常的なケアが重要だと分かりました。今回ご紹介いただいたケアを生活に取り入れて、魅力あるゴルフ道を進んでいきたいと思います。
 
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