WELL GOOD(ウェルグッド)

Body and mind maintenance

ほぐして緩めて整える “巡りのいいカラダ”

  • リラックス
  • ビューティー
  • ストレッチ
公開日2023.11.07
最終更新日2023.11.08
読み終わるまで6分

仕事や家事、育児に追われる日々のなかで、頭も体も常に緊張しているという人は珍しくありません。体が強張ると巡りが悪くなり、不調とまでは言わないけれど疲れやすくなったり、眠りが浅くなったり、だるさを感じたりすることが多くあります。そこで今回は、ボディプロデューサーの池畑さんに“巡りのいいカラダ”についてお話をお聞きしました。

Profile
プロフィール
池畑薫
ボディプロデューサー

CMモデル、フィットネスモデルとして活動したのち、アメリカで話題のヤムナメソッドを習得。ヤムナのレッスンクラスやオリジナルの体幹トレーニングなどを組み合わせたパーソナルレッスンやワークショップを開催。快適で機能的に動かせる体づくりをサポートしています。BESJマットピラティス資格保持者。

Kaoru Ikehata Official Site

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それぞれの体型にあった美しさで“巡りのいいカラダ”を目指す

今までなんともなかったのに、体の疲れが取れにくくなったり、肩こりがひどくなったり、腰が痛くなったり。40代、50代になると、これまで若さでなんとなく乗り切れていた体の不調が顕著になってきます。不調を感じてから、痛みやだるさのある部分をマッサージやトレーニングでケアしてもなかなかよくならない理由を、普段の体の使い方にあると指摘するのはヤムナ認定プラクティショナーでボディプロデューサーの池畑薫さんです。
 
「人は作業をする時、頭を前や下に向けています。でも、頭は体の中でも重量のある部分。首を通して体幹や胴体で支えているのですが、この胴体の大部分を占めるのが肋骨です。そして肋骨を支えているのは背骨であり、骨組みだけで見た時に体の前側は、肋骨と骨盤の間に支えるものがありません。つまり筋肉がないと背骨に負荷がかかり、頭が前に出て猫背になります。するとバランスをとろうと腰を反らせすぎてしまい、今度は腰痛が起きてしまいます。

 
そんな風に体の不調は1ヶ所だけの原因ではなく、連鎖して起こっています。ですので、正しい体の使い方を学んでいくことが大切なのですが、反り腰やぽっこりお腹などの単語だけがひとり歩きして、その箇所だけをケアしようとする方が多いと感じています。そこで私は、その人の骨格にあった筋肉の正しい位置を伝え、姿勢や呼吸を整えていきたいと思っています。それによって、その人が本来持っている美しさや健康が引き出されます」

肋骨をやわらかくすることで姿勢や呼吸が整う



人それぞれで異なる美しさや健康。それを引き出すのに大切なのは、姿勢と呼吸、そして肋骨のやわらかさとのこと。人は呼吸をする時に肋骨が膨らんだり縮んだりしているものの、年齢を重ねていくうちに硬くなり、動きが鈍くなっていくそうです。
 
「人の体の多くを占めているのが胴体で、残りは頭と手足です。私は、歩いたり動いたりするのに中心となるのは胴体であり、手足は胴体の付属品だと考えています。そして胴体部にある大切な臓器を守るために包み込むような形についた大きな骨が肋骨です。肋骨に限らず、骨とその関節部分は滑らかに動くことが大切なのですが、筋力がないと関節に負荷がかかり隙間がつぶれ、動きが鈍くなります。肋骨も同じく、呼吸の際に肺と一緒に膨らんだり縮んだりして動いています。この動きが滑らかだと楽に呼吸ができるのです。滑らかに動くためには正しい姿勢であることが重要であり、呼吸が整えば緊張がほぐれ、血流がよくなります。つまり、巡りのいい体になるためには、肋骨がやわらかく動くことが肝要なのです。
 
ケアやトレーニングは、この正しい姿勢、正しい呼吸を土台にして行うことで、大きな成果が出ます。もちろん、運動をしないよりはしたほうがよいのですが、土台を整えずに行うケアは非効率でもったいないですよね」

03.トレーニングやスポーツをするすべての人におすすめのヤムナ



ケアやトレーニングを始める前の土台づくり。それにおすすめなのが、強くしなやかな心と体づくりを目指すボディワーク「ヤムナボディローリング」だと池畑さんは話します。そこで池畑さん流の、ヤムナメソッドと独自ケアを組み合わせた巡りのいい体づくりを教えていただきました。
 
「ヤムナはヤムナ・ゼイクが考案した、今注目されているボディワークで、筋肉だけではなく骨にも着目して体の内側から整えていくメソッドです。具体的には専用のボールを使って自重をかけて骨や筋肉を刺激し、本来ある位置や状態へと戻していきます。
 
筋肉には、筋の始まりである起始と終わりの部分である停止があります。それぞれのポイントを筋肉の流れに沿ってボールをずらしながら刺激していくと、ゆっくり、しっかり伸びていきます。丸いボールを使って伸ばすため、筋肉が一定方向のみではなく色々な方向に伸ばされ、硬く強張った筋肉が緩んでいくのが特徴です。
 
ヤムナで筋肉を緩めることで、長年体に沁みついたクセによる筋肉の強張りが一時的にとれます。その正しい姿勢の状態でトレーニングしていくと、体が本来の位置を覚えていきます。体が動くための土台を整えることができますので、スポーツをしっかりやっている人にもおすすめです。特に、タイムの向上や上達に伸び悩んでいる人は、体の基礎を整えていくのでちょうどよいですよ。一方で、まったく運動をしたことがない人にもおすすめです。負荷のかかる動きがなく、ボールに乗るだけですから。最近すごく疲れる、ぐっすり眠れないなんて方に試していただきたいです」

ガチガチ首肩のケア



正しい姿勢でないと首や肩にかかる負担は大きく、肩回りの筋肉はガチガチに硬くなってしまいます。
 
体幹を鍛えて正しい姿勢と呼吸を意識することは大切ですが、まずは固まった肩回りをほぐして負荷を軽減させるためのケアを教えていただきました。


首肩ケア1 ―僧帽筋のケア―

最初に、ポイントアタッチメントを付けて振動させたハンディガンで、首から肩にかけての僧帽筋をケア。首側の鎖骨の始まる、骨より上の位置にアタッチメントを当て、僧帽筋を剥がしていくようなイメージでゆっくり背中側に移動させます。肩幅によって異なりますが、鎖骨から肩までの間を、5ヶ所以上当てるように細かくケアします。首のコリがひどい場合は、首の付け根の辺りからケアしてもOK。

首肩ケア2 ―肩甲骨のケア―

僧帽筋剥がしが終わったら肩甲骨をケアします。背中を軽く丸め、体の前で両手の指先、手の甲から肘までがくっ付くようにします。この時、肩甲骨が開くので、筋肉が剥がれるようにイメージし、肩甲骨の辺りを意識しながら肋骨を膨らませるように息を吸います。お腹は、おへその位置を引き上げるようにして薄く平らな状態にして内臓を支えておきましょう。

そのまま息は止めずに吐きながら体を起こし、両腕を左右に開きます。開いたときに手のひらは外側に、肘は肩より後ろになるようにしますが、ここで意識するのは手や肘ではなく肩甲骨です。左右の肩甲骨を引き寄せるよう意識し、肘を10回程上げ下げします。この時も肩甲骨が上下に動いていることを確認します。肩を上下してしまいがちなので、肘を上下するよう注意します。

そのまま息は止めずに吐きながら体を起こし、両腕を左右に開きます。開いたときに手のひらは外側に、肘は肩より後ろになるようにしますが、ここで意識するのは手や肘ではなく肩甲骨です。左右の肩甲骨を引き寄せるよう意識し、肘を10回程上げ下げします。この時も肩甲骨が上下に動いていることを確認します。肩を上下してしまいがちなので、肘を上下するよう注意します。

インタビューを終えて

体はシンプルだと語る池畑さん。体に必要なことをしてあげるだけで、巡りのいい体になると言います。それには肋骨のやわらかさに着目してほしいということですが、時々、肋骨に両手を当てて呼吸をするだけでも肋骨に意識が向くそうです。まずは体に意識を向ける。そこから始めてみるとよさそうです。

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