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どうにかしたい妊娠中のむくみ…対策と手足スッキリケアを紹介

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公開日2023.09.12
最終更新日2023.09.04
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普段から「夕方になると指先がパンパンになって指輪がきつくなる」「足が疲労感と重だるさでつらい」という方や、「妊娠前はむくみなどなかったのに、妊娠してから手足がパンパン」という方に向けて、まずは一般的なむくみと妊娠中特有のむくみ理由や仕組みについて解説します。
 
妊娠中は強い刺激や激しい運動は取り入れられませんが、実は日々の意識とやさしいケアでもむくみを改善することができるのです。今日からできる対策と、実践しやすい簡単なストレッチ&セルフケアの方法を紹介します。

妊娠中にむくむ主な原因

むくみとは、体内の余分な水分が血管やリンパ管の外に染み出て細胞の間にたまっている状態です。
むくみの原因は人によってさまざまですが、栄養不足や肝機能の低下などもそのひとつ。血液中のアルブミンというタンパク質が減少すると体がむくみやすくなるため、好き嫌いが多かったり、欠食がちで極端に栄養状態が悪い人はむくみやすいといえるでしょう。
 
このほか、病気などで肝臓や腎臓の機能が低下していることも考えられます。これらの場合はまず、原因に対する治療が必要です。
 
栄養状態や肝機能に問題はなく、妊娠中にむくみがひどくなる原因としては、体内の余分な水分を回収する血流やリンパの流れが、大きくなったお腹で圧迫されて滞ることが原因のひとつとされています。
 
このほか、血液の量やホルモンバランスの変化もむくみやすさに関係しています。妊娠中は全身の血液の量が、妊娠前と比べ平均で40~45%増加します[1]。血液の中には赤血球や血小板などのほか、もちろん水分も含まれているため、血液の増加に伴い体内の水分も増えてむくみやすくなるという仕組みです。
 
また、妊娠中はエストロゲンとアルデステロンという女性ホルモンの分泌が増えることで、塩分や水分を体にためこみやすくなります。[2]こちらもむくみの原因のひとつとされています。

特に手足がむくみやすいのはなぜ?

動脈血は心臓のポンプ作用で全身をめぐりますが、静脈血やリンパ液は筋肉の動きがポンプの役割を果たして心臓に戻ります。このとき、体の構造的にどうしても心臓から遠く下にある部位ほど血液の流れが悪くなってしまうため、心臓よりも常に下にある足、上げない限りはほとんど心臓より下に位置している手は特にむくみやすいという仕組みです。
 
さらに、妊娠中は運動量が減るため、ふくらはぎの筋肉の動きが少なくなります。そのため血液を戻すポンプ作用も弱くなってしまい、もともとむくみやすい足はさらにむくみやすくなります。また、静脈瘤もむくみの原因になると考えられているなど[3]、妊娠中はさまざまな要因が重なってよりむくみやすくなっているといえます。

日頃から意識したいむくみ対策

むくみにくくするために、妊娠中でも日常生活の中でできる対策はたくさんあります。ぜひ取り入れてみましょう。

塩分を控えめにする

塩分が多いと血中の塩分濃度が上がり、それを薄めるために水分をためこもうとします。妊娠中は摂取できる塩分量も1日6.5グラム未満と定められているため、特に食事の塩分は控えめにすることが大切です。塩分を控えめにするコツの一例を紹介します。



  • みそ汁やスープをいつも1日2回以上飲む場合は1日1回に減らす

  • ちくわやかまぼこといった練り物、ハムやウインナーなどの加工食品を減らす

  • 塩気の強いお菓子(ポテトチップス、せんべいなど)を控えめにする

  • 味付けは塩を少なめにし、酢や香辛料を活用してメリハリをつける



みそ汁やスープ、練り物には意外と多く塩分が含まれているため注意が必要です。塩分を控えても、ほかの調味料で味付けを一工夫したり、野菜を多く取り入れたりすることで満足感を上げられます。無理のない範囲で塩分を使いすぎない食事を意識しましょう。

足を高くする

足を水平な状態より高くすると、血流が心臓へ戻りやすくなってむくみの解消につながります。具体的な方法としては、横になるときにバスタオルなどを畳んだものの上に足を乗せたり、抱き枕などを使うのも良いでしょう。また、運動不足はむくみの原因になりますので、体に無理のない範囲で軽いストレッチやウォーキングをするのもおすすめです。

弾性ストッキングの活用

どうしても足のむくみがつらいときは、医師に相談して了承を得られれば、弾性ストッキングやひざ下までの着圧ソックスを着用するのもおすすめです。ただし、弾性ストッキングや着圧ソックスを着用していてしびれや痛みを感じたり、体調が悪くなるようであればすぐに中止し、再度医師に相談しましょう。

むくみスッキリ!おすすめのストレッチ&セルフケア

妊娠中のむくみ解消法として、適度なストレッチやセルフケアが有効です。やはりこちらも医師に相談したうえで、体に無理のない範囲で取り入れてみましょう。

ハンドケア

【ストレッチ】



  • 1.腕を前に伸ばし、手を肩より高く上げる

  • 2.力を入れてグー、パーと手を動かす

  • 3.腕がむくんでパンパンに張っている感じがするときに20回を3セットくらい続けると、指先からスッキリするのを感じるはずです



 

【マッサージ】
ハンドケアは、摩擦による熱や刺激で血行を良くし、むくみを緩和してくれます。お風呂上りやリラックスタイムに限らず、家事の合間や手の乾燥が気になったときなどに、ハンドクリームやオイルなどをつけてすべりをよくしてから行うと良いでしょう。



  • 1.手のひらを反対の手の親指で軽く押す

  • 2.指を1本ずつ、指先からつけ根に向けてやさしくなでおろす



 

フットケア

【ストレッチ】
ふくらはぎは血液を心臓に戻すポンプとして使われる大切な部位なので、ストレッチでしっかりとほぐしていきましょう。伸ばすときは息を吐きながらゆっくりと行うのがポイントです。



  • 1.壁に両手を付き、足を肩幅に広げる

  • 2.片足を一歩後ろに引き、もう一方の足の膝を90度に曲げる

  • 3.後ろの足のふくらはぎをゆっくり伸ばして30秒キープ

  • 4.足を入れ替えて行う (片足2,3回ずつ行いましょう)



 

もみほぐし
妊娠後期はお腹が大きくなってきて思うようにセルフケアができないことも多いものですが、コミュニケーションとして、家族にほぐしてもらったり、さすってもらったりするのも良いですね。
 



  • 1.仰向けになってひざを立てる

  • 2.クリームやオイルをつけた両手で、ふくらはぎを下から上に向かって交互にもみあげる

  • 3.ひざ上から足のつけ根にかけてやさしくさする

  • 4.すね全体を足首からひざに向けてさすりあげる

  • 5.足の甲を指先から足首に向けてやさしくさする



 

まずは気がついたときのバンザイポーズから

構造的に手足はむくみやすい部位ですが、気がついたときにケアしやすい部位でもあります。ストレッチやもみほぐしと日々の対策でむくみを解消していきましょう。ただし、むくみとともに痛みがある場合や、片脚だけむくんでいる場合はかかりつけの医師に必ず相談してください。
 
妊娠中は特にむくみやすい時期ですが、無理のない範囲で取り入れて、出産までできるだけスッキリと快適な毎日を過ごせるように心がけましょう。

参考文献

[1] 道方香織ほか. 1.妊娠の生理, 日産婦誌 2007; 59(12): 691-696
[2] 堤治ほか. “妊婦と胎児のアセスメント”母性看護学各論 森恵美ほか編. 医学書院 2017; 119
[3] 国立循環器病研究センター. “[97]脚の静脈の血行障害-静脈瘤”循環器病情報サービス. http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/blood/pamph97.html

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