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腰痛対策に効果的なストレッチと体を強くする腰痛予防とは

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公開日2023.03.28
最終更新日2023.04.04
読み終わるまで9分

そこまで痛いわけではないものの、軽い腰痛を感じて動くのがおっくう…。そんな人はストレッチを取り入れてみましょう。ただしストレッチが向いていない状況もあるので、まずは自分の状態を振り返ってみましょう。問題ない場合は、紹介する効果的なストレッチを参考にしてみてください。そして、腰痛の予防や再発防止の対策として、運動療法をとり入れるのがおすすめ!腰痛を防ぐエクササイズのやり方についてもご紹介します。

腰痛対策にストレッチをとり入れるべき人とは

重い上半身を腰で支える人間にとって、腰痛は宿命といえるかもしれません。多くの人が悩みがちな腰痛ですが、大きく分けて一般的なよくある腰痛と、別の病気が原因となっている腰痛があります。

病気が原因の腰痛は、痛みを引き起こす病気やケガを治療することが第一。関節や筋肉の障害による腰痛は過度に安静にせず、普段通りの活発さを維持することが痛みの改善につながります。急性のぎっくり腰も4日以上の安静は避け、痛みがある程度引いたら普段の生活に戻ることがすすめられています。さらにストレッチを積極的に取り入れると、回復を手助けしてくれるでしょう。

腰痛対策としてストレッチを無理なく行う為に確認すべきこと

腰痛は多くの日本人に見られる症状です。しかし、その原因は神経の障害や内臓の病気、姿勢の悪さ、ストレス…など多岐にわたります。

なかでも、「安静にしていても痛む」「寝ているときも痛む」「痛みがどんどん悪化する」といった場合は、重大な病気が潜んでいる可能性があります。無理にエクササイズを行おうとせず、早めに整形外科を受診してください。


腰痛対策に役立つストレッチの方法

腰痛対策のために取り入れたいストレッチについて3つ紹介します。

寝て行うストレッチ

入浴後や就寝前などに習慣化しやすい、寝て行うストレッチです。固い床を避けて、カーペットや布団の上などで行いましょう。

<ひじ立てストレッチ>

ひじ立てストレッチ
(1)うつ伏せになり、ひじをつきながら上体を起こす

(2)ももを床につけたまま、ひざを曲げる

(3)1と2の状態をキープしたまま全身の力を抜き、深呼吸を6回行ってから元に戻す

(4)2~3を3セット行うのが目安です。ひざを曲げたとき痛みがある場合は、ひじ立てだけでかまいません。痛みや固さを感じなくなるまで行いましょう
うつ伏せの状態で腰に違和感がある人は、骨盤の下にクッションを入れてみましょう。それでも痛みを感じる方はストレッチを避けてください。

<腰ねじりストレッチ>

膝抱えストレッチ
(1)天井を向いて仰向けになる

(2)上体はそのままに、右足を交差させるように腰をねじる

(3)左手で右足のひざを押さえ、できるだけ床に近づける

(4)3の状態で全身の力を抜き、深呼吸を6回行ってから元に戻す

(5)反対側も同様に行う
左右1回づつ3セット行うのが目安です。肩やひざが床から離れないようにするのがベストですが、つかなくても大丈夫。力を入れずに無理のない範囲で行ってくださいね。

<ひざかかえストレッチ>

膝抱えストレッチ
※参考 腰部脊柱管狭窄(さく)症に効果的なストレッチ「膝抱え体操」 | NHK健康チャンネル
(1)寝そべった状態で両ひざを抱える

(2)股をできるだけ開き、腰の筋肉を伸ばすように、ひざを脇のほうへゆっくり引く

(3)2の状態をしばらくキープしてから、ゆっくり元に戻す
10回くらい行いましょう。腰の筋肉をゆっくり伸ばすような感覚で行うと効果的です。

立って行うストレッチ

腰周りの筋肉の緊張を緩め、体の血流を促すストレッチです。

<わき腹や腰を伸ばすストレッチ>

立って行うストレッチ
腰周りの筋肉の緊張を緩め、体の血流を促すストレッチです。
(1)壁の横に立ち、片方の手を壁につく

(2)そのまま腰を壁側に突き出し、腰やわき腹を伸ばす

(3)反対側も同様に行う
左右で「きつい」と感じる角度が異なるかもしれません。差がなくなるまでくり返しましょう。

ストレッチをとり入れる際の注意点

無理してストレッチを行うと、炎症がひどくなる可能性があります。痛みが出たらすみやかに中止することが大切です。ストレッチ中のポイントは、
◯息を止めない

◯伸ばすときにゆっくり息を吐く
の2点。意識してみてくださいね。
※注意しなければならない症状:痛みが足やお尻まで広がる、しびれがある…という場合、何か病気が関わっている可能性があります。一度整形外科を受診して相談しましょう。
続けて、腰痛対策として骨盤を整えながらケアする方法をお伝えします。

腰痛対策ストレッチで背骨のゆがみも整えよう

一般的によく起こる腰痛で多いのは、背骨のゆがみによるものです。通常背骨はゆるやかなS字カーブを描いています。しかし猫背や前傾姿勢など悪い姿勢が続くと、腰の部分が急カーブに。腰周りの筋肉に負担をかけ、炎症を起こして痛みが生じます。
猫背

やがては椎間板(背骨を構成する椎骨と椎骨の間にあり、クッションの役割を担う)のダメージにつながるので、早めに対策しておきたいですね。

背骨のゆがみによる腰痛にもストレッチが効果的です。緊張が続いた筋肉や関節のしなやかさを取り戻すだけでなく、血流を促進する効果があります。また背骨のゆがみを整え、動きをしなやかにする働きもあります。

ストレッチは心と体のリラックスにもぴったり。筋肉の緊張を抑えることにもつながるので、ぜひ試してみてください。

腰痛対策に役立つ簡単ケア方法

腰痛の改善で大切なのは「姿勢を支える筋力をつけること」と「身体の柔軟性を保つこと」です。ここではおなかや背中の筋力強化に役立つ、簡単なエクササイズをご紹介します。

ドローイン

腰に不安がある場合は、まずこちらから。寝転んだ姿勢のまま、おなかの深い筋肉にアプローチすることができるエクササイズです。

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(1)仰向けに寝て脚を腰幅に開き、膝を立てます

(2)鼻から吸い、ゆっくり息を吐き出していきます

(3) 息を吐ききっておなかをへこませたらゆっくり元に戻します
おなかの筋肉が硬くなるまで息を吐くのがポイント。1~3を5回、2セット行うのが目安です。

カールアップ

ドローインに慣れてきたら、一般的な腹筋運動よりも腰に負担をかけないこちらを行ってみましょう。
(1) 仰向けに寝て、片足は完全に伸ばし、別の足は膝を90度曲げて足裏を床につけます

(2) 背中と床の間にできた自然なアーチ部分に両手を置きます

(3)腹筋を意識しながら頭と肩甲骨を床から上げます

(4) 3の姿勢で一旦停止し、ゆっくりと元に戻します
頭をしっかり持ち上げようと、無理をする必要はありません。首を曲げず、腰は固定したまま、胸を丸めるように持ち上げましょう。腹筋に力が入っているのを意識できればOKです。
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アームレックレイズ

おしりや背中の筋肉を強化するエクササイズです。
(1) 両手・両膝をついて四つんばいになり、姿勢を安定させます

(2) 片方の脚を床と平行になるまで伸ばして、10秒キープします

(3) ゆっくり脚を下ろしてから、反対側の脚も同様に行います
より筋肉に負荷をかけたい人は、2のときに、上げている脚と反対側の手も床と平行になるように伸ばしてください。
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プランク

腹筋に負荷をかけながら、背中や腰の筋肉も鍛えることができるエクササイズです。
(1) 床に両肘をついてからつま先をつき、頭からかかとまで一直線にします

(2) ひざを伸ばした状態で片方の足をゆっくり上下に動かします

(3) 反対側の足も同様に行います
身体を「プランク=板」のように、まっすぐにキープすることで効果が出ます。腰が沈み込んだり高くならないよう、おなかに力を入れることがポイント。左右それぞれ10回を2セットが目安ですが、かなり負荷がかかるエクササイズなので、最初は少ない回数でも大丈夫です。
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体をケアする際の注意点

エクササイズは無理のない範囲で行うことが大切です。最初から完璧にこなそうとせず、様子を見ながら回数を増やしたり、より負荷がかかる角度にしたり、体調に合わせて調整しましょう。効果を実感するまでに数か月かかることもありますが、毎日気長に続けることが大切です。

エクササイズ中に痛みが出たときは、すみやかに中止して安静にしてください。痛みの範囲が腰だけでなく足やおしりまで広がるような場合は、何か病気が潜んでいる可能性も。その場合は、整形外科を受診しましょう。

エクササイズは腰痛の予防や改善にどう役立つの?

かつては腰痛というと「とりあえず安静にする」ことが一番といわれてきました。しかし近年では、安静にしすぎるとその後の経過がよくないことがわかってきており、仕事や生活で日常的に行っている活動を、できるだけ維持することが望ましいとされています[1]。
腰痛の原因としては、腰椎(腰の背骨)や椎間板、背骨を支える筋肉に負荷がかかることで小さな傷がつき、腰に痛みや重さを感じる、ということが多いようです。日頃から猫背や前傾などの姿勢を続けていると、腰を支える脊椎や椎間板、筋肉に負担をかけてしまい、椎間板の中央にある髄核がずれてしまうことも原因と考えられます[2]。
一方、近年では心理・社会的影響もあると考えられています。痛みが慢性化してくると脳が無意識のうちに「腰が痛い記憶」の回路をつくってしまいます。そうなると本来痛みを抑制する役割を持つ脳内物質の分泌が減ってしまい[2]、さらにはストレスや経済状況、家庭環境、幼少期の記憶などさまざまなことが痛みとなって現れるケースもあります。

筋トレを中心としたエクササイズには、正しい姿勢を保つのに使われる筋肉を鍛えることで脊椎や関節を安定させ腰痛の再発を防いだり、髄核の軽いズレを治す効果がある[2]とともに、気持ちの面でのリフレッシュ効果も期待できます。
腰痛対策には筋トレのほか、「身体の柔軟性を保つ」ストレッチ運動や、ウォーキングなどの全身有酸素運動を合わせて取り入れると効果的です。予防や改善に役立ててくださいね。


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