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メタボ解消の第一歩!ダイエットの基本「食事」と「代謝」をおさらい

公開日2024.03.11
最終更新日2024.03.07
読み終わるまで7分

ダイエットに疲れた方も、初めて本格的なダイエットに挑戦しようとしている方も、まずはもう一度基本をおさらいしてみませんか?本記事では、どんなダイエット方法にも応用できる内容を、「食事」と「代謝」の基本原則の観点から解説します。摂取カロリーを効率良く減らし、かつ、消費カロリーを効率良く増やすにはどうしたら良いか?代謝を上げるには?ストレッチは本当にダイエットに有用なのか?さまざまな疑問を解決していきましょう。ダイエットを正しく知ることが成功への近道です!

ダイエットの基本に立ち返ろう

新しいダイエット食品やトレーニンググッズ、美容方法が紹介されると「これなら簡単にできるかも!」と次々に手を出したくなりますよね。しかし、それらすべてに共通しているダイエットの基本原則は、「消費カロリーよりも摂取カロリーを少なくすること」に尽きます。
 
「食事のコントロールはせず、運動だけでダイエットしたい!」という方もいるかもしれませんが、運動で食べた分のカロリーを消費するのは、実はとても大変なことです。たとえば、ご飯1杯分のカロリー消費には約1時間、板チョコ1枚分のカロリー消費には約1時間30分ものウォーキングが必要とされています。
 
一般的に、「1㎏やせるためには約7,000キロカロリーを消費する必要がある」と言われており[1]、「たくさん食べたからその分運動しよう!」「今日はこれだけ運動したからたくさん食べるぞ」という考えでは、大半の場合、結局食べすぎにつながってしまいます。まずは毎日の食事スタイルから見直していきましょう。

「食事」の基本

記述のとおり、ダイエットを成功させる最大のポイントはやはり食事のコントロールです。
 
まず、食事の回数と順番について。1日の食事は朝昼晩の3回に分け、毎食集中して食べることが大切です。食べる順番は、野菜や海藻類から、次に肉、魚などのタンパク質、最後に炭水化物の順に食べると良いでしょう。血糖値の上昇がゆるやかになるうえ、野菜をしっかり噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、最後に食べる炭水化物の量を抑えることにもつながります。
 
食事量については、活動量が減る夜は食事を軽めにするのがベストです。また寝る前の飲食は胃腸に負担をかけ、睡眠の質を低下させてしまうので控えましょう。食事はなるべく時間を決め、それ以外の時間帯では食べないようにすることも大切です。
 
また、日々偏りがちな栄養バランスはダイエット中こそ特に気をつけたいポイント。バランスのとれた献立を考えてみましょう。1回の食事に、必ず以下の3色を揃えることを意識すると比較的簡単ですよ。
 
赤(体をつくるもとになるもの)…肉、魚、卵、豆類、乳製品
黄(体を動かすエネルギーになるもの)…ごはんやパン、麺類、いも類、油、砂糖
緑(体の調子を整えるもの)…野菜類、きのこ、海藻
もちろん、極端な食事制限は厳禁です。特定の1品のみを摂取するダイエット方法は、一時的な体重の減少は見込めるかもしれません。しかし、極端に食事の量や種類を制限すると、健康面はもちろん美容面にも悪影響を与えるおそれがあります。

「代謝」の基本

ダイエットは、食事のコントロールと共に「基礎代謝を上げて消費エネルギーを増やす」ことが重要です。基礎代謝とは、「運動をしていないときでも、呼吸、体温維持、内臓の活動など生命維持のため使われるエネルギー」のことを指します。筋トレやストレッチなどで上がる基礎代謝は、筋肉1㎏あたり13キロカロリーと決して多くはないものの、普段の何気ない生活のなかで消費するエネルギー量がアップするという意味では有用です。

運動習慣がない人はストレッチからはじめよう

「ダイエットしたいけど運動をする習慣がない」という方にとって、いきなり本格的なトレーニングをはじめるのはハードルが高いことです。そういった方はまずはストレッチから始め、体を動かす気持ちよさを実感することで、無理なく楽しく続けられるでしょう。
 
運動強度を表す指数には厚生労働省が定めた「メッツ」というものがあり、身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表しています。座って安静にしてる状態が1メッツ、ストレッチはは2.5メッツ。普通の歩行が3メッツ、早歩きが4メッツ[2][3]。10分行った場合、女性(体重50~55kg)で14kcal、男性(体重60~65kg)で17kcalの消費です。ストレッチを日常動作に例えると「ゆっくり歩く」くらいの強度になります。厚生労働省では、歩行程度の運動は毎日60分以上を推奨しているため[4]、毎日の歩行に足りない分を、自宅でできるストレッチで補うと良いでしょう。

ストレッチによるうれしいは作用

ストレッチは運動強度が低いため、消費カロリーが少なく、ダイエットには不向きなのでは?と思う方もいるかもしれませんが、うれしい作用もたくさんあります。健康的で美しい体づくりのために、ぜひ長期的に取り入れていただきたい習慣です。

体温と基礎代謝が上がる

ストレッチは、体温と筋温を上げるとされています[1]。特に、骨格筋や直腸など、体の奥の体温が上がるため、基礎代謝アップを狙えるでしょう[5]。また、筋温が高くなることで体の柔軟性が向上し、ケガの防止にもなります。継続的にトレーニングをするうえでも大切ですね。

姿勢が改善される

猫背や反り腰などの姿勢を改善し、背筋が伸びた状態を維持しやすくなります。正しい姿勢を維持するときは腹筋や背筋を使うため、自然に筋肉を鍛えている状態になり、キュッと引き締まったお腹を目指す近道になります。

体の柔軟性が高まる

ストレッチの最も大きな働きは、「筋肉と関節を柔らかくする」ことです。可動域が広がって活動量が増えることで、運動のパフォーマンスが向上します。動作が大きくなるので、日常生活での動作で消費するカロリーアップも期待できます。

リラックス作用がある

体の機能を調整するための自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類で構成され、常に2つのバランスを保つことで正しく機能しています。副交感神経は、リラックスしているときに優位になる神経ですが、ストレッチを行うときもこの副交感神経が優位になります。特に深呼吸をしているときは最大限のリラックス作用があるとされています。ダイエットでイライラし、心を落ち着けたいときは、深い呼吸と共にストレッチをしてみましょう。

おすすめのストレッチ方法

さまざまなメリットがあるストレッチ。せっかくなら、少しでもダイエットを後押ししてくれるストレッチを行いたいですよね。そんな方に、太ももと背中のストレッチを紹介します。太ももと背中は、体のなかで特に大きな筋肉がついている部位。基礎代謝を上げるには、体の中でも大きめの筋肉から優先的に鍛えていくのがポイントです。筋肉が大きくなれば、動かすために必要なエネルギー量も多くなります。全身の筋肉のうち約7割が集中しているといわれる下半身のなかでも、特に太もも(大腿四頭筋)や背中の筋肉を刺激することからはじめてみましょう。

太もものストレッチ

太ももの前側にある4つの筋肉(大腿四頭筋)をほぐすストレッチです。
 


  1. 壁に右手をついてまっすぐ立つ

  2.  左ひざを後ろに曲げ、左手で足先を持ってかかとをお尻に近づける

  3.  太ももの前側が伸びているのを意識しながら20~30秒伸ばす

  4.  足の向きを外側や内側に変え、それぞれ20~30秒ずつ伸ばす

  5.  反対のふとももも同様に行う


 
ストレッチ初心者であれば、倒れないよう椅子に座って行うことをおすすめします。
 
片方の足を折りたたんで椅子に浅く座り、折りたたんだ足はお尻に完全に敷いてしまわず、痛くないように少しずらして折りたたみましょう。太もも前方の筋肉が心地よく伸びるのを感じながら、体全体を使ってそらします。

POINT

呼吸を止めずにゆっくりと。足裏に力を入れ過ぎると足がつる場合があるので気をつけましょう。

背中のストレッチ

僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋群と呼ばれる背中の筋肉をほぐします。床にやわらかいマットなどを敷いて行いましょう。
 


  1.  床に座りあぐらをかく。背筋を伸ばし、両手をひざの上におく

  2.  ゆっくり息を吸いながら上を向き、肩甲骨を引き下げるイメージで喉や胸、おなかを伸ばす

  3.  次に息を吐きながら目線をおへそに向け、首の後ろから尾てい骨まで丸めながら伸ばす

  4.  2~3の動きを8回ほどゆったりとくり返す


 
あぐらがかけない場合は、片足を伸ばしてもOK。また、バランスがとりずらい方は、壁に背中を向けてストレッチすると、後ろに倒れても壁に寄りかかれるので安全です。

POINT

2のときは腰をそらせ、お尻をつきだします。3のときはひじが伸びるまで、背中や肩甲骨を大きく後ろに押し出し、背中側がしっかり刺激されているのを感じましょう。

ダイエットは基本をおさえてバランス良く

ダイエットは、食事制限だけでも、運動だけでもなく、両面をバランス良く取り入れていくことが大切。今回紹介した内容は基本的なことですが、どんなダイエットをする場合にも応用できる大原則です。ストレッチも、実施することが体にどんな影響を与えるかを詳しく知ることができれば「ダイエットをサポートする」と言われる理由がわかりますよね。食事コントロールに加えてストレッチをうまく活用し、代謝を意識しながら効率良くダイエットしましょう。

参考文献
 
[1]厚生労働省 生活習慣病対策室. “標準的な健診・保健指導プログラム” 厚生労働省webサイト. https://www.mhlw.go.jp/topics/2007/02/dl/tp0222-1c-1.pdf (参照2019-07-16)
 
[2]宮地元彦. “ストレッチングの効果” 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-006.html(参照2019-06-20)
 
[3]厚生労働省. “メッツ / METs(めっつ)” 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-004.html(参照2019-06-27)
 
[4]宮地元彦. “健康づくりのための身体活動基準2013” 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-01-001.html(参照2019-06-20)
 
[5]永松俊哉ほか. 低強度・短時間のストレッチ運動が深部体温,ストレス反応,および気分に及ぼす影響, 体力研究 2012; 110: 1-7

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