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【血行改善】ゆるマッサージ&ストレッチで生理前のむくみを撃退!

公開日2024.03.27
最終更新日2024.03.15
読み終わるまで6分

生理前になるとパンパンにむくむ顔や手足は、できるだけ早く良い状態に戻したいもの。むくみケアには日頃の運動で筋力を強化しておくのが良いとされていますが、生理前はほかの不調も重なって、なかなかその気になれないときもありますよね。そんなときに試してほしいのが、血行を良くするマッサージです。時間がとれない場合はスキンケアも兼ねて行うのもおすすめ。化粧水や美容液のパックをしながら肩や首をほぐし、乳液かクリームでマッサージとスキンケアの仕上げを行うと、時間をかけずにケアできますよ。

むくみのメカニズムとは?

むくみとは、血管外にしみ出した余分な水分が細胞の間に過剰にたまった状態です。本来、余分な水分は静脈とリンパ管に回収されて排出されますが、血行が悪くなったり、なんらかの原因で水分量のバランスが崩れたりすることで起こります。
 
動脈血は心臓のポンプ作用によって押し出されますが、静脈血やリンパ液は筋肉の動きによって心臓まで押し戻されます。下半身はふくらはぎの筋肉の動きがポンプの役割を果たし、静脈血やリンパ液を心臓へ戻しますが、同じ姿勢が続いたり筋力が弱いとポンプがうまく働きません。すると血流がとどこおり、むくみの原因になります。心臓から距離がある手足がむくみやすいのはこのためです。

生理周期とむくみの関係

生理周期をつくるのは、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンです。エストロゲンは、生理が終わってから排卵までの間に最も多く分泌され、その後も生理が始まるまで分泌され続けます。一方、プロゲステロンは排卵から生理が始まるまでの間、エストロゲンより多く分泌されます。プロゲステロンとエストロゲンは、生理や妊娠にかかわる作用のほか、体にさまざまな影響を及ぼします。
実際に、プロゲステロンとエストロゲンの濃度がともに高くなる「黄体期」には、下半身に水分がたまりやすく、むくみが起こりやすいということがわかっています[1]。

生理前のむくみ対策としておすすめのゆるマッサージ

生理前でなんとなくだるいときにもおすすめのマッサージを紹介します。肌にやさしいオイルや、好きな香りのクリームなどを使って、リラックスしながら試してみてくださいね。

顔のむくみ

顔のマッサージは、肩・首をほぐして血液やリンパ液の通り道をスッキリさせてから行いましょう。
 
〈肩〉肩を下げたときに筋肉が盛り上がっている部分に、反対の手の指を置いて腕をぐるぐると3回ほど回します。
 
〈首〉首をゆっくり大きく回します。左右それぞれ10回ずつくらい回しましょう。
 
〈顔〉乳液やクリームをつけてすべりをよくしてから、あごから耳の裏、耳の裏から鎖骨の順でやさしくなでるように刺激しましょう。

手のむくみ

指先がパンパンになったり、指輪が外れにくくなったりしているときは、意識的に手のマッサージもとり入れましょう。マッサージといっても、ハンドクリームを手になじませて、指先から指のつけ根に向かってなでるだけです。仕事の合間や水仕事の後など、ハンドクリームをつけるついでに行うのもおすすめです。

足のむくみ

足のむくみ対策マッサージは、お風呂上りなどに肌の保湿を兼ねて行うのがおすすめです。
 
まずあぐらをかくような体勢になり、太もものつけ根を手のひらでやさしく押します。次に、軽く片方のひざを立てて座り、ひざから足のつけ根にかけてやさしくなで上げます。5回ほどなであげたら、ひざ裏のくぼみを下から上に向かってさすります。そして、足首からひざに向けて、下から上にさすります。仕上げにつま先から足首に向かってさすります。足の甲はやさしくなで上げて、足裏は指からかかとに向けてマッサージしましょう。

生理周期以外にも潜むむくみやすい習慣

むくみを引き起こす原因の多くは、日常生活のなかにも多く潜んでいます。

運動不足

運動する機会が少ないと全身の筋肉が衰えていきます。特にふくらはぎの筋肉の衰えは、前述のとおり、足の血液を心臓におくるポンプ機能が衰えてしまうため注意が必要です。
 
また、長時間のデスクワークや店頭販売など、座り仕事や立ち仕事で動かない時間が続くと足がむくみやすくなります。主な理由は、重力で水分が足にたまりやすいことやふくらはぎの筋肉が動かないことです。

飲酒

お酒をたくさん飲み、翌朝鏡を見ると顔がパンパン…という経験をした人もいるかもしれません。アルコールをとると、血管内の水分が血管外に出ていきやすい状態になります。また、アルコールの利尿作用により、体は水分不足を起こしてさらにお酒(水分)を欲する…という悪循環もむくみに加担します。まずは適量の飲酒を心がけ、チェイサーとして水を飲みながら楽しむなどの工夫をしましょう。

塩分過多

塩分を多くとると、血液中のナトリウムの濃度が上がります。しょっぱいものを食べると水を飲みたくなるのは、身体がナトリウム濃度を下げようとして水分を欲しているためです。塩分が過剰な場合、体はナトリウム濃度を下げようとして水分を多く欲し、さらにそれをたくわえるためむくみにつながりやすくなります。

栄養バランスの乱れ

ビタミンB1は代謝機能にかかわる栄養素なので、不足するとむくみにつながります。また、タンパク質は全身の新しい細胞の材料となる栄養素で、不足すると血管の内と外で水分をやりとりする毛細血管の力が低下します。むくみ対策として、塩分の調整のほかにも、栄養バランスの良い食生活を意識することが重要です。

睡眠不足

就寝中は体を横たえているため、下半身の血液も心臓に戻りやすくなり、余分な水分の排出が進む重要な時間です。そのため、睡眠不足になると水分の排出が進む時間が減り、むくみやすくなります。

マッサージに+αしたいむくみ対策

生理前にむくみやすい人は、普段の生活のなかでも知らず知らずのうちにむくみの原因をつくっている可能性も。マッサージのほかにも、以下のような対策を取り入れてみましょう。

生理周期以外も生活習慣を見直す

仕事が忙しく寝不足になったり、ついつい夜更かししてしまうこともありますが、やはり睡眠時間の確保はむくみの解消にとって重要です。むくみが気になるときは早めに眠るようにしましょう。
 
また、移動は車や電車がメイン、エスカレーターやエレベーターを使うという人は、徒歩や自転車、階段の利用を意識してみると良いでしょう。

血行改善

入浴や足浴で血流を良くするのもおすすめです。時間がない場合は、40℃くらいのお湯をためて行う足湯をするだけでも血行改善に役立ちます。20分ほど足湯をしていると、全身があたたまってくるのを感じることができるでしょう。
 
また、普段からタイトな服やしめつけの強い下着をつけることが多ければ、ゆとりのある服や伸縮性の高い下着に変えてみましょう。生理痛が気になるときや腰の冷えを感じる人は、日頃から冷たい飲食物はなるべく避け、お腹や腰にカイロを貼って温めるのもおすすめです。

ストレッチ

生理前は、女性ホルモンの影響で基礎体温が高い状態にありますが、生理が始まるとホルモンバランスが変わり、今まで高かった体温が下がってしまいます。このため体が冷えて、いつもよりさらに血行不良に陥りやすいため、ストレッチなどで意識的に血流を良くすることが大切です。

血行改善に役立つストレッチ

骨盤まわりの筋肉をほぐすことで、血行不良の改善が期待できます。冷えによって生理痛が強い人にもおすすめです。

腰回し

仕事中のちょっとした休憩時間でも実践しやすい簡単なストレッチです。立ったままでできるので、外出先であれば化粧室などで実践してみるのもいいでしょう。
 


  1. 両足を肩幅に開いてまっすぐ立つ

  2. 両手を腰に当て、円を描くように腰を前・左・後ろ・右というようにゆっくり回す

  3. 左右5回ずつ、1日3セット行う


POINT

足や上半身はできるだけ動かさず、腰(骨盤)だけを動かします。体の中心にボールがあり、その周りを腰でなぞるようなイメージで行いましょう。

足首

イスに座ったままでもできるので、デスクワーク中のほか、電車やバスでの移動中にもおすすめです。
 


  1. 両足をしっかり床につけたままイスに腰かける

  2. つま先を上げて5秒ストップ

  3. ゆっくり元の状態に戻し、次はかかとを上げて5秒ストップ

  4.  5~10セット行う


 

POINT

背骨が丸まってしまうとしっかり効果が出ないので注意。ピンと背筋を伸ばしましょう。

前屈

こちらもイスに座ったまま行うストレッチです。背中から腰にかけて幅広く動かすので、血行の改善効果も高まります。
 


  1. イスに座り、両足を少し開く

  2. 上半身の力を抜き、手を床につけるように前屈する

  3. おへそを見つめながら、少しずつ体を起こし、顔を上げて前を見る

  4.  2~3を3回繰り返す


POINT

腰まわりに作用していることを意識しましょう。キャスター付きのイスは滑ってしまうことがあるので注意が必要です。

むくみはメカニズムと対策を知って上手に付き合おう

生理前のむくみは多くがホルモンの影響によるものですが、日頃からできる対策も取り入れれば、むくみにくい体を目指すことができます。毎月やってくるサイクルだからこそ、工夫して楽しく、スッキリと乗り切りましょう!

参考文献
 
[1]鷹股亮. 体液調節とホルモン, 日生気誌 2017; 54(2): 57-64

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