現状に満足せず
新たな刺激を。
一歩ずつ進めば、
目標は成し遂げられる。

東京ヴェルディ

大久保 嘉人

Yoshito Okubo

©TOKYO VERDY

史上初の3年連続J1リーグ得点王となり、J1通算最多得点の記録も保持する大久保嘉人選手。高校時代の選手権制覇を初めとし、Jリーグ、海外クラブのみならず、各年代の日本代表選手としても輝かしい実績を残しています。

しかし常に同じ場所に留まることなく、新たな刺激を求めて闘う場所を探し、移籍を繰り返すという形で挑戦を続けています。何が自身を突き動かして前へと進ませているのかを聞きました。

自分の長所を磨くことをひたすら続け、強い武器を持つ選手に

子どもの時からずっとサッカーしてきましたけど、国見高校での経験が今の自分を形作っていますね。当時はプロサッカー選手になりたいという夢を持って、どうしたらプロになれるのかをずっと考えてました。

理不尽とも思える厳しい練習に耐えられたのも、そこで自分に負けてしまって、ちょっとでも違う方向に行ってしまったらプロになれないと思っていたからです。自分に負けないという姿勢は、この高校時代に身につけることができたと思っています。

サッカーの面では、先生に「長所を磨け」と言われてました。自分はミドルシュートが得意で、5時からの朝練でひたすらミドルシュートの練習をしていました。それがなかったら自分のものにはなっていなかったですし、ひたすらやっていたからこそ、今も自分の強い武器になっているのかなと思います。

自分の長所を磨くことをひたすら続け、強い武器を持つ選手に

苦しい時にゴールを決めるのがエース。一瞬に懸ける集中力

高校時代には精神力も鍛えられていて、今でも自分のプレーを支えていますね。自分は試合の最初から最後までずっと、「どこにいたら相手に嫌がられるか」ということを常に考えて動いてます。

試合終盤になると、相手もチームメイトも疲れて集中力が途切れて足が止まってきますけど、みんなが本当に苦しい時にゴールを決めるのがそのチームのエースです。

「最後に一発を決められるようにするにはどうすればいいのか」をずっと考え続け、その一瞬に懸けてます。自分の中で、精神力の限界は感じたことないですね。

自身のモチベーションを上げるために、
移籍によって新たな刺激を

チームを移籍した時、それぞれのチームごとに違うスタイルがあるので、自分のやりたいことを伝えるのは少し難しいと感じることがあります。

自分は同じチームに長い間いるのはあまり好きじゃなくて、移籍で目に見えない刺激を受けてモチベーションを上げていくタイプです。「こんなサッカーをするチームもあるのか!」「このチームなら自分はこうプレーした方がいいかな」ということを探すのが好きで、「新しい場所でまた自分も頑張ろう!」と思えるんです。

移籍した時に、「今まで自分がやってきたプレーは必要ない」というチームもあります。その時には、「求められるプレーをしないといけない」とか「チームに合わせないといけない」と思うこともあります。でもそれだけだとチームに上積みがないので、「自分の色をみんなに伝えながら、チームの色に合わせていく」といったことを常々考えてますね。

川崎フロンターレにいた時、3年連続得点王になりました。そのままいればずっとチームの王様で、周りから何も言われなかったと思います。でもその状況はあまり好きではないです。

淡々とプレーしていても何も言われないというのは、面白くなくなってきてモチベーションがなかなか上がらないですね。だからその次へと、また違う場所に行って違うサッカーを見て、自分もスタートから、また一から頑張りたいと気持ちを上げて行くんです。

自身のモチベーションを上げるために、移籍によって新たな刺激を

年齢とともにコンディショニングに気を遣うことが増える

今年、東京ヴェルディに移籍しました。でもシーズン再開前に怪我してしまって、なかなか試合には復帰できませんでした。自分はあまり怪我をするタイプじゃなかったんですが、今回は回復に時間がかかってしまいました。

歳のせいもあるもかしれないですけど、長期間休むとコンディションがなかなか上がらないと感じましたね。トレーナーと相談しながら、怪我が再発しないことだけに集中して、コンディションを上げている最中です。

自分はシュート練習をすごくするんですけど、練習でもコンディショニングに気を遣うようになってきました。身体の張りが出たら、どういう対処をすればいいのか考えながらやっています。

試合や練習の後に、張りのある所にストレッチロールSや3Dコンディショニングボールを当てたりしますけど、かなり張りがほぐれる感じがして、良くなった感じがします。痛みを抱えて試合や練習をするのは気持ちが落ちるんですけど、使ってほぐすとテンションが上がりますね。

妥協せず、一歩ずつ目標に向かって進む

今一番成し遂げたいことは、東京ヴェルディのJ1昇格です。この若いチームに移籍するのは大きな挑戦でしたけど、今の東京ヴェルディのようなサッカーをする日本のチームは少ないので、非常に面白いと思ってます。

若手にとっては本当に幸せな環境だと思いますし、ここで自分もいろいろ学んでいければ、この先につながると思っています。目標を成し遂げるためには、目の前の一つのプレー、一つの試合のことを考えて、一歩ずつ進むことが大事ですね。

目標を自分の中で描いてやると、絶対に妥協はできないです。それが本当に一番だと思います。

大久保嘉人大久保嘉人おおくぼ・よしと

大久保嘉人おおくぼ・よしと

東京ヴェルディ所属。史上初の3年連続(2013~2015年)J1リーグ得点王で、J1通算最多得点記録保持者。2000年に国見高校で高校三冠を達成し、高校選手権では大会得点王。2001年にセレッソ大阪に入団した後、2003年には日本代表に選出されA代表デビューを果たす。2004年にはU-23日本代表としてアテネオリンピックに出場。同年、スペインのリーガ・エスパニョーラのRCDマヨルカに移籍。2006年にセレッソ大阪に復帰し、翌年にはヴィッセル神戸に移籍。その後ドイツのブンデスリーガ・VfLヴォルフスブルク、ヴィッセル神戸への復帰を経て、2010年ワールドカップではレギュラーメンバーとして決勝トーナメント進出に貢献。2013年には川崎フロンターレでゴールを量産。その後FC東京、ジュビロ磐田とチームを渡り歩き、2020年に東京ヴェルディへ。